【悪夢十夜】廃街徘徊(2022/04/15放送分)

アイキャッチ

 やあこんばんは。一年以上前の話だけれど、今はもう消えてしまった過去放送分ラジオのテキストアーカイブとして、当時の夢日記を書き留めていこうと思う。詳しくは初回の記事を参照してほしい。

  このアーカイブ作業は気が向いたときにしか行っていないし、気が向くタイミングというのもあまりにも少ない所為で、幻の放送時から時間だけが無為に過ぎ去りまくっているのだけれど、自己満足の世界だから気にすることもないだろう。それでは始めよう。


廃街徘徊(2022/04/15放送分)

 こんな夢を見た。
 どんよりと暗い曇天の下を走っている。
 片側三車線の広い国道沿いにもかかわらず、車の影はない。
 その代わりに車道の上を徘徊しているのは無数の腐乱死体である。歩いているのなら死体ではないだろう、などという異存もない。とにかく僕は、そいつを一瞥してから「まるで物語の中のリビング・デッドというやつだ」などと態とらしく呟いて、ただひたすらに走っている。
 B級映画のそれのように、連中は呻き声をあげながらこちらに歩み寄ってくるから立ち止まってはいけなかった。幸いなことにこの身体は軽く、疲労もない。

 ずいぶんと走ったところで目的地に着いた。
 地下へと伸びる煉瓦敷の階段を降り、汚れて曇った重いガラス扉を押し開ける。この暗い廃地下街が僕の根城であった。
人気のないシャッター街でただ一軒だけ生きている馴染みの定食屋の暖簾をくぐると、店主がちらと僕を見て、
 「やあ、今日も見つからなかったかい」と言う。
 席に着くと、どっと疲れが襲ってきた。
 「もう見つからないかもな」
 「さあどうだかね。明日は見つかるかもしれない」言いながら僕の前に食事を置く。白米と赤い漬物と、妙に反った焼き魚――いつもと同じつまらない定食だった。
 「そもそも、」米と漬物を口に押し込む。「僕は何を探しているんだっけ?」
 「君、いつもそれを訊くけどね。自分の体じゃなかったかい?」
 可笑しな事を言う奴だ、と思った。でも確かにそうであったような気もした。飲み込んだ魚も漬物も、何の味もしなかった。

 実のところ、この悪夢とこのブログの存在についてすっかりと忘れてしまっていたのだが、先日スマートフォンのメモアプリを整理していた際にこのメモを見つけたためにこうして更新作業に漕ぎ着けたというわけだ。

今回のアイキャッチイラスト

picture
DALL-E2による“薄暗い地下のシャッター街”
使ったAI

 DALL-E2:https://openai.com/dall-e-2/

 今回もDALL-E2にアイキャッチを考えてもらいました。シャッター要素がどこにあるのか不明。

 夢の中にでてきたシャッター街というのは天井が低くじめじめとした地下街であったためかなり相違があるけれど、まぁ良しとしよう。ところで、そろそろDALLE3も出るらしいから、どれ程すごいのか気になるね。

 それじゃ終わり。

 またどこかでお会いしましょう。