やあこんばんは。突然だけど、かつてはこのインターネット世界の路地裏に、終夜無線という“ラジオノイズ”が存在していたんだ。
いまはもうそいつはどこにもいない。——はずなのだが、実はここに少しばかり、かつての片影が残っている。
夢日記だ。当時、夢を見た日の朝に書き残していたささやかな文章だけが残っている。
まあそういうわけで……全く意味が解らないとは思うのだけれど、今はもう消えてしまった過去放送分ラジオのテキストアーカイブとして、当時の夢日記を書き留めていこうというわけだ。メモを破り捨てるのが惜しいくらいには、この夢のことを気に入っているからね。
煙の少女(2022/03/11放送分)
こんな夢を見た。
海外製のゲームに出てくるような、やたらに広い洋風の家にいる。鮮やかな青色の壁にチェーンランプやガーランドがかかり、床には玩具や服が散らばっている子供部屋のようなここが、どうやら自分の居室のようだった。
深夜三時、悪天候であった。部屋は暗く、壁を彩る蓄光のプラスチックの星が淡く光って見えた。あとは時折稲光に照らされるだけである。僕は窓際の背の高い椅子に腰掛け、呆と雨脚を眺めていた。微睡かけていた時分、煙草の煙が鼻に届く。不思議に思って振り向くと、見知らぬ少女が僕の煙草を咥えていた。煙を不味そうに吐き出して、「微妙だね」と言う。
「ちょうどいつものやつを切らしていてね」言いながらソフトケースの底を指で弾く。「あれなら美味いぜ。きっと君も気にいると思うけど」
少女は不満げにそう、と呟くと、不気味なまでに爛々と光る瞳で僕を見た。
「でももう遅い」
ごう、と音を立てて部屋の中に風が吹いた。プラスチックの星は落ち、少女は影形もなく消えていた。
この夢には後日談がある。
たいへんに好みの夢をはっきりと見たものだから、嬉しくなって何度も頭の中で映像を作って再生した。そこで淡くチープに光る蓄光のプラスチックの星が脳裏に焼き付いて、現実の自分の部屋にもどうしても欲しくなってしまった僕は、100円ショップでそれを入手して即日賃貸の部屋の壁に無数の星を散らしたという――――
今回のアイキャッチイラスト

使ったAI
DALL-E2:https://openai.com/dall-e-2/
アイキャッチをどうやって作ろうか悩み、昨今大流行しているAIの御力を借りてみようと思い至った。すごいな、ぼんやりとしたイメージをそれっぽく出力してもらうにはとてもいいコンテンツだな。
それじゃ終わり。
またどこかでお会いしましょう。